医療用機材の外観検査で検出できる欠陥例には以下のようなものがあります。
一口に医療用機材といっても、X線フィルム、血液ガス分析装置、手術用不織布、心電計など、さまざまな種類があります。医薬品容器や薬品ビン以外に各種の医療機器を含めれば、医療用機材の外観検査で検出できる欠陥例は多岐にわたります。
医療用機材は小型化や精密化が進んでいるため、それに合わせて、高水準・高精度な外観検査による品質管理・品質保証が求められるようになりました。
対象物全体にフォーカスを当てた検査やフリーアングル観察システムを用いるなど、形状に合わせて適切な検査を判断する必要があるため、自社で扱っている物品に合わせて検査装置を導入する必要があります。
検査や治療のために体内に挿入するカテーテルの欠陥検査には、深い被写界深度をもったマイクロスコープによる検査が適しています。これまで顕微鏡で行っていた検査では、一部にしかピントが合わないため検査に時間がかかっていました。しかし深い被写界深度を実現した検査装置なら、バルーンカテーテルの検査においても対象物全体にフォーカスした検査が可能です。
また、ガイドワイヤーの微細なキズ検出や親水性コーティングの観察も可能な機能もあります。さらに3D形状測定を行うことにより、表面にある細かなキズ測定や部品の構造把握もできるようになりました。
注射器などに用いられる医療用ニードルでは、細かなキズや欠け、角度などさまざまな検査が必要です。そのため2Dや3Dで測定が可能なデジタルマイクロスコープを用いた検査が適しています。
被写界深度が深い装置であれば、全体にピントを合わせたままスピーディな画像処理が行えます。これまでは顕微鏡や各種測定器を用いた複数測定が必要でしたが、2D・3D測定が行えれば鮮明な画像による詳細な形状検査が可能。医療用ニードルの角度や幅なども効率良く測定できます。
ステントは血管や尿路といった体内の管状部分を内側から拡げるために用いられる器具です。金属でできており、網目状の筒のような形状が特徴です。ステントの欠陥検査では、微細なキズや欠け、バリなどがないかを確認。立体的かつ複雑な形状であり多角度からの観察が必要なため、フリーアングル観察システムなどが適しています。
また、ステント支柱の曲げ半径測定では、金属面の反射を受けずに観察できるハレーション除去機能やリング除去機能が役立ちます。数年かけて体内に吸収される生体吸収性ステントは、微細な割れなども検出する必要があります。そのため高解像度である4K画像などを用いた検査装置が適しています。
歯の移植などに用いられる移植ワイヤーの欠陥検査においては、微細なキズや欠け、バリなどがないか観察します。深い被写界深度をもった装置が適しており、鮮明なフルフォーカス画像を用いて効率的な検査が行えます。
小型軽量化が進むペースメーカー。鎖骨の下や心臓に埋め込んで心臓の働きを助ける役割をもっており、部品に割れや欠け、裂け目などがないか確認しなければいけません。そのため欠陥検査ではフリーアングル観察システムと透過照明を併用できる検査装置が良いでしょう。穴の側壁も含めたスピーディな検査を行えます。
錠剤の欠陥検査に対する要求は以前よりも高度化・多様化していることもあり、形状や異物付着などの汚点、印刷、刻印、変色などの検査が重要です。
錠剤外観検査装置を用いた検査は高分解能による毛髪検出や3次元形状判定による表面形状測定により、従来以上に高精度な検査が可能。とくに3次元形状測定では高さ(深さ)情報を得ることで、より正確な表面形状測定が可能になっています。
これまで欠陥検査では濃淡分けが難しいケースがありましたが、AIRIS-SPでは欠陥のピーク値ではなく平均値に基づいた濃淡分けを行い、欠陥の詳細まで把握することが可能。フィルムやシートなどに付着した微細な異物やキズ、ムラなどを検出できます。
また、高速ラインにおける高分解能を実現し、より精度の高い検査ができるようなシステムを提供しています。
世界各国での納入事例をもつ高機能欠陥検査システム。不織布や紙パルプ、フィルムやガラスなど薄い紙や布、フィルム状の物品検査向けにつくられています。
ラインカメラと高輝度LEDを採用しており、ライン工程で動く対象物の欠陥検出が可能。たとえば不織布に付いた微細な異物や毛髪、油汚れなども検出可能です。
「人間の目に置き換わる技術」にこだわるヴィスコの画像処理検査装置。コンパクトでありながらも処理能力高速化を実現しており、大型の検査機器と同等レベルの検査を行えます。
また、超深度カメラの搭載により斜めからのピント合わせも可能。微細なキズも見逃さず、奥行きのある対象物でも目視に近いレベルでの検査ができます。