半導体・欠陥検査装置の選び方リスト

外観検査で検出する欠陥例

半導体(及び関連部品)における外観検査で検出する欠陥例には以下のようなものがあります。

  • 半導体
    傷・バリ・欠け・変形・異物・印字間違い・汚れ
  • プリント基板
    断線・ショート・クレイジング・ミーズリング・コネクタ端子平坦度
  • シリコンウェハ
    割れ・欠け・反り・変形・亀裂・ダイジング不良・打痕・異物
  • はんだ
    ピンホール・ブローホール・ボイド・つらら・ブリッジ・はんだ不足
  • 液晶
    変形・割れ・反り・欠け・異物

半導体デバイスはシリコンウェアをはじめ、トランジスタ、抵抗、コンデンサ、はんだ、液晶など様々な部品や素材で構成されています。外観検査装置による検査では、これら半導体各部に起こる不良や欠陥を検出することができます。

自動車部品でも検出される傷、欠け、割れ、クラックなど一般的なものから、印字間違い、ミーズリング、コネクタ端子平坦度、ダイジング不良、ブリッジ、はんだ不足など、半導体特有の欠陥例もあります。

半導体のウエーハ欠陥の分類

ウエーハの欠陥は「ランダム」と「システマチック」に分類されます。

ランダムとはウエーハ上に異物が混入することで生じる欠陥であり、発生箇所に規則性がないため検出が困難。検査ではウエーハ上をXY位置座標で把握し、欠陥箇所を検出します。

また、システマチックはレイアウトや露光工程条件によって生じる欠陥です。発生箇所の特徴がランダムとは異なり、転写されたすべての回路パターンにおいて同じ箇所で検出されます。

半導体の欠陥検査

ウェーハの異常検査

ウェーハ製作工程で行う検査です。高解像度カメラ付きの外観検査装置を使用し、ウェーハの歪みや割れ、エッジ部分の欠けについてチェックします。エッジ欠け検査ではウェーハの寸法測定を行い、プログラムされたデータと対象物に直径や厚さのズレがないかを検査します。

異物付着検査

ウェーハ製作工程やウェーハ上回路製作工程にて異物付着検査を行います。赤外線カメラを使用し、異物の有無をチェック。ホコリなどのほか、転写によるズレなどが異物として検出されます。

異物形態検査

ウェーハ上回路製作工程における異物形態検査では、電子顕微鏡を用いて詳細な画像解析と評価を行います。異物は特定の場所に生じる場合と、ランダムに生じる場合があり、とくにランダム欠陥では、発生頻度や欠陥の大きさ・状態に統一性がないため予測が不可能。

そのため異物付着の有無を赤外線カメラで検査し、電子顕微鏡を用いた画像処理によってどんな異物が付着しているのかを確認して原因を究明します。

回路パターンの検査

ウェーハに回路パターンを転写する際に、ズレが生じる可能性があります。そこで測長電子顕微鏡などを使用し、転写された回路パターンにズレがないかを検査します。

回路製作工程上の電気特性不良検査

回路上に電気特性の不良がないかを検査します。検査ではテスタを使用し、回路上の電極にあてて不良の有無を調べます。ウェーハをテスタ位置に設置すれば、自動検査も可能です。

ダイシング時の寸法検査

回路が転写されたウェーハをチップ状に切断するダイシングでは、寸法不良が生じる可能性があります。そこで高解像度カメラを使用して外観検査を行います。

パッケージ後の電気特性不良検査

ウェーハをパッケージ化する工程でも電気特性検査を行います。ウェーハ上回路製作工程と同様に、テスタを用いて電気特性の不良の有無を検査します。

ワイヤーボンディング検査

ダイを基板上に搭載してワイヤーで配線するワイヤーボンディングでは、ワイヤーの外れやズレ、ショート、ワイヤー間ピッチ、ワイヤー切れなどの不具合が生じる可能性があります。そこで高解像度カメラつきの外観検査装置を使用し、ワイヤーの高さやボンディングの部分形状などを測定します。

半導体製造のマスク検査

半導体製造において、マスク(フォトマスク)は重要な役割を担っています。

そもそもマスクとは、ウエーハ上に回路を描くための原版のこと。ウエーハ上に感光物を貼り付け、マスクを用いて回路を写し出します。マスクにはわずかな欠陥や異物付着も許されず、不良のマスクを転写してしまうと半導体の誤作動の原因になります。そのため、マスク製造過程で検査を行うことが重要なのです。

マスク検査では、マスクの外観上の不良のほか回路パターンの寸法や位置の精度不良を検出します。比較検査装置や顕微鏡、透過光式測長機、座標測定機、長寸法測定機などが用いられています。

なお、検査はパターン生成や基板製作、パターン形成、検査・修正、洗浄などの各工程で行われます。

半導体に適した外観検査装置

エピ欠・エピ膜内部の検査なら「SiCウェハ、透明ウェハ欠陥検査/レビュー装置SICA88(レーザーテック)」

エピタキシャルウエハの欠陥検出におすすめの装置。表面の欠陥検査と同時に内部の基底面内転位(BPD)や積層欠陥(SF)などの結晶欠陥も検出します。1時間で10枚のφ6インチウェハ全面検査が可能。
また、高精度自動欠陥分類(ADC)によって欠陥の種類を判別。高解像度を実現しており顕微鏡を用いた再観察が不要です。

半導体チップの表面検査なら「ウエハ・チップ外観検査装置 HM-256(ヒューブレイン)」

多様なパターンのチップ検査に対応でき、品種によって画像分解能を変えて(1.5~5µm)検査を実施。また、異なる分解能や照明、判定プログラムといった複数のレシピを一回で使用することも可能。オートローダーでの連続供給やNGチップの高速排除も実現しています。
さらにオプションで組込用顕微鏡を加えれば、サブミクロンの分解能による検査も行えます。

極小チップ部品検査なら「YRi-V(ヤマハ発動機)」

ヤマハの従来機「YSi-V」の上位機種として発売されており、高速かつ高精度な3D検査を実現。5μmのレンズタイプがあり、0201Mサイズの極小部品でも欠陥を検出できます。
さらに最大3D計測高さ25mmの3D形状検査が可能なため、微細なクラックや欠けも見逃しません。

自動車工場_画像
目的別に紹介!
外観検査装置メーカー

外観検査装置のすべてのパーツについてワンストップで内製できる企業を紹介しています。会社選びの参考にしてみて下さい。