食品別・欠陥検査装置の選び方リスト

食品製造の外観検査で検出する欠陥例

食品製造における外観検査で検出される欠陥には、以下のような例があげられます。

  • 包装
    印字ずれ・印字間違い・フタの割れ・パッケージの傷・汚れなど
  • 食品容器
    焦げ・焼け・破れ・凹み・汚れ・キズ・異物・コンタミ・印刷間違いなど
  • 内容物
    異物混入・形状・色・大きさといった不良品など

食品は口に入れるものだからこそ、製造段階での外観検査で欠陥を検出しておく必要があります。

たとえば包装に消費期限や賞味期限、アレルギー表示などの印字間違いがあった場合、重大な健康被害を引き起こしかねません。印刷間違いで自主回収をすることになれば、商品の廃棄や再供給のためのコストがかかるだけでなく、ブランドイメージの低下や取引先企業との取引停止といった損失が生じる可能性があります。

食の安全について読売新聞とgooリサーチが2008年に行った調査によると、食の安全について不安を感じる点として回答が多かったのが、「製造年月日や賞味期限、消費期限が正しく表示されているか」(69%)、「添加物の有無」(68%)、「残留農薬の有無」(67%)、「産地や銘柄が正しく表示されているか」(61%)の4つ。こういった消費者の不安を払しょくして購買につなげるためにも、外観検査が重要となってくるのです。

参考:NTTコム リサーチ「食の安全に関する調査」
https://research.nttcoms.com/database/data/000752/

製造工程ごとに起こりやすい欠陥と適した検査方式

食品原料

食品原料に異物が混入している可能性があるため、金属検査機やX線検査機を使って異物検査を行います。食品製造工程における異物とは、プラスチックやガラス、金属、石など。金属検査は磁界の性質を利用した検査法で、その名の通りに金属異物の検出を得意としているのが特徴です。

X線検査機は非金属も検出でき、検出可能な異物の種類が多いことから、X線検査機を使ったインライン検査が異物混入対策のスタンダードになっています。

加工品

加工品の製造工程では、異物や不良品が混入していないかの検査を行います。たとえば肉加工品の場合、X線検査機を使って残存骨の有無を検査し、骨が混入している製品があれば異常品として排除します。また、AIを使った画像検査で良品データを学習させることにより、形状不良の品が混入していないかの判断も可能です。

包装

包装に起こりやすい欠陥には、印字間違いや印字ずれ、パッケージの傷・汚れなどがあげられます。食品製造工場では、賞味期限の印字検査として画像検査装置が広く採用されています。また、画像検査装置では、包装の破れや傷がないかを検出することも可能。

品質劣化につながるシール不良の検査はX線を使ったかみこみ検査機が得意とするもので、不透明パッケージのシール部のかみこみやしわの検査に適しています。

容器

容器に起こりやすい欠陥には汚れやキズ、穴、凹み、破れ、印刷間違いなどがあげられます。容器の外観検査では主に画像処理による検査が採用されています。高画素カメラを使って検査を行うことで、目視では見通しがちな欠陥も検出することが可能。また、容器に貼られているラベルのずれやめくれなどの外観不良も検出できます。

検出したい欠陥に合わせて、検査に使用するカメラの性能やAIの活用などを検討すると良いでしょう。

AIを活用した食品の外観検査

食品製造業では、外観検査員の人手不足や検査品質のばらつきが課題になっています。外観検査の自動化に取り組んでいるところもありますが、食品工場では取り扱っている製品の色や形状、大きさなどにばらつきがあることから判定基準の設定が難しく、外観検査の自動化のハードルが高いとされてきました。それにより、人手不足や検査品質のばらつきという課題を抱えていながらも、目視検査に頼っている現場も多いのが現状です。

そんな食品製造業における外観検査の課題を解消できるとして注目されているのが、AIの活用です。ルールベースで判断する外観検査装置とは異なり、AIは入力されたデータに含まれる特徴をもとに自ら学習して良否判定ができます。そのため、多種多様でルールの設定が難しい食品の外観検査においても、高い検査性能を発揮することが可能。

それにより、食品製造業が抱えていた人手不足や検査品質のばらつきといった課題を解消でき、さらに検査コストの削減といったメリットも得られます。実際に、食品の外観検査にAIを活用した画像認識を採用している企業も増えているようです。

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